この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘く、深く、繋がって
第17章 仕置き
三度目の長いため息。
斎藤さんは閉ざした時と同じように、ゆっくりと瞼を開いた。瞳の奥に緋が揺らぐ。
その艶やかさに思わず腰が引けて
「……真純」
伸びてきた腕に絡み付くように抱き寄せられた。コックコートからキッチンの匂いがする。
押し付けられた耳に聞こえる、少し早い斎藤さんの心臓の音。
「当然でしょ」
擦れた声が降ってきた。
「真純は俺の。誰にも……触らせたく、ない」
それは言われている私が苦しくなるほどに切ない響きで、直接的な言葉で責められるより心が痛んだ。
「ごめんなさい……」
瞬間、斎藤さんの腕に力がこもる。
「……どう、すれば良い?」
どう?
「どうすれば、真純は俺だけのものになるの?」
密着した身体に響く切実な声。息をするのも苦しい程に抱き締められて、クラクラする。
間を隔てる服が、身体が煩わしい。
私と斎藤さんと、解け合う事が出来たら良いのに。
私の気持ちが常に斎藤さんの傍に居られたら良いのに。
もっと斎藤さんの近くにいたい。
自然、縋る手に力が入った。
「真純……」
擦れたままの斎藤さんのテノール。
「好き、です」
「……うん」
斎藤さんは閉ざした時と同じように、ゆっくりと瞼を開いた。瞳の奥に緋が揺らぐ。
その艶やかさに思わず腰が引けて
「……真純」
伸びてきた腕に絡み付くように抱き寄せられた。コックコートからキッチンの匂いがする。
押し付けられた耳に聞こえる、少し早い斎藤さんの心臓の音。
「当然でしょ」
擦れた声が降ってきた。
「真純は俺の。誰にも……触らせたく、ない」
それは言われている私が苦しくなるほどに切ない響きで、直接的な言葉で責められるより心が痛んだ。
「ごめんなさい……」
瞬間、斎藤さんの腕に力がこもる。
「……どう、すれば良い?」
どう?
「どうすれば、真純は俺だけのものになるの?」
密着した身体に響く切実な声。息をするのも苦しい程に抱き締められて、クラクラする。
間を隔てる服が、身体が煩わしい。
私と斎藤さんと、解け合う事が出来たら良いのに。
私の気持ちが常に斎藤さんの傍に居られたら良いのに。
もっと斎藤さんの近くにいたい。
自然、縋る手に力が入った。
「真純……」
擦れたままの斎藤さんのテノール。
「好き、です」
「……うん」