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甘く、深く、繋がって
第19章 決心
「帰ろう」
戻って来た千佳ちゃんは私を真っ直ぐ見てそう言った。
…………
ツキンと胸が痛む。
頭から血の気が引いていく。
斎藤さん……
キューッと苦しくなって胸を押さえた。
呼吸が早くなる。
あ、だめ……
だ、め……
過呼吸の発作が始まって
「真純っ」
千佳ちゃんに抱き寄せられた。
「大丈夫」
キツく抱き締められて
「大丈夫だから、ゆっくり、ゆっくり息吐いて」
優しく誘導してくれる。
千佳ちゃんの柔らかいアルトに、発作が激しくなる前に収まっていく。
「は、ぁ……」
ようやく整った呼吸。
千佳ちゃんがそっと腕を解いてくれた。
「帰ろう?」
穏やかな声と優しい微笑み。
それ以上の事をいわない千佳ちゃんに私はゆっくり頷いた。
バックヤードから出ると桐生さんが歩み寄ってきた。
「お帰り、ですか?」
案じてくれているその眼差しに心配かけたくなくて笑顔を返す。
「久しぶりにあったから、もっと話したくなって」
「……そうですか」
少し口角を上げて、でも心配そうな瞳は変わらない。
「また、来ますね」
「ではお送りしましょう」
優しい言葉に首を振った。
「千佳ちゃんがいるので大丈夫です」
戻って来た千佳ちゃんは私を真っ直ぐ見てそう言った。
…………
ツキンと胸が痛む。
頭から血の気が引いていく。
斎藤さん……
キューッと苦しくなって胸を押さえた。
呼吸が早くなる。
あ、だめ……
だ、め……
過呼吸の発作が始まって
「真純っ」
千佳ちゃんに抱き寄せられた。
「大丈夫」
キツく抱き締められて
「大丈夫だから、ゆっくり、ゆっくり息吐いて」
優しく誘導してくれる。
千佳ちゃんの柔らかいアルトに、発作が激しくなる前に収まっていく。
「は、ぁ……」
ようやく整った呼吸。
千佳ちゃんがそっと腕を解いてくれた。
「帰ろう?」
穏やかな声と優しい微笑み。
それ以上の事をいわない千佳ちゃんに私はゆっくり頷いた。
バックヤードから出ると桐生さんが歩み寄ってきた。
「お帰り、ですか?」
案じてくれているその眼差しに心配かけたくなくて笑顔を返す。
「久しぶりにあったから、もっと話したくなって」
「……そうですか」
少し口角を上げて、でも心配そうな瞳は変わらない。
「また、来ますね」
「ではお送りしましょう」
優しい言葉に首を振った。
「千佳ちゃんがいるので大丈夫です」