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第19章 決心

柔らかな千佳ちゃんの声と言葉にますます涙が溢れてくる。
ふふっと笑った千佳ちゃんが私の頬を両手で包んだ。親指でゆっくり涙を拭われて額にキスが降ってくる。それは親愛のこもった暖かい口付け。
「ちっか、ちゃ……」
「うん」
「ちか、ちゃん……」
「なぁに？」
斎藤さんの言葉が嬉しくて、良かったと言ってくれる千佳ちゃんの気持ちが嬉しくて、それ以上の言葉が続かない。涙は止まる気配もなくて、後から後から溢れてくる。
「斎藤さんなら、大丈夫、だね」
またふふっと笑う千佳ちゃんに、コクコクと頷いて
「あ、りが……と」
何とか感謝の気持ちを伝えた。
千佳ちゃんが私の頭を撫でてくれる。じんわりと伝わる優しい気持ち。心がホワホワと温かい。

ダメだよ。千佳ちゃん。
涙、止まらない……

泣き続ける私に千佳ちゃんがふふっと笑った。もう一度額にキスをして、その胸に引き寄せられる。柔らかな膨らみ、千佳ちゃんの香り。
「良かったね、真純」
低めのアルトの優しい言葉。
キューッと胸が苦しくなって、千佳ちゃんの背中に腕を回した。
涙の止め方が分からない。
千佳ちゃんは私が落ち着くまで、優しく包み続けてくれた。