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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
今日で仕事納めだというのに、私はなかなかパソコンの電源を落とせずにいた。
もうみんな『グラン・ブルー』での打ち上げに行ってしまった。
何で?
よりによって他に調整付けられない最後の日に、こんな案件取ってくるのかな……
例によって島崎さんから渡された営業書類を片手に、ついため息が出た。
黒田さんと入れ代わりに名古屋から来る渡部さんは結構出来るらしいけど、人柄も分からないのにいきなり島崎さんの案件はお願い出来ない。満面の笑みで『今年最後の営業』と言って帰っていた島崎さんが恨めしい。
私はさっきからずっと技術さんのパズルと睨めっ子。画面の見過ぎで頭が痛くなってきた。
ちょっと休もう
息を吐いて立ち上がる。
両手を組んで真っ直ぐ身体を上に伸ばす。次いでゆっくり左右に倒して体側のストレッチ。肩を回したり脚を伸ばしたりしていたら
「真純?」
後ろから名前を呼ばれた。
その声にビクンと身体がすくむ。
ゆっくり振り返った入り口には黒田さん。ゾクリと恐怖が蘇ってきた。
嫌、だ…
「く、黒田さん……」
急速に喉が渇いて声が掠れる。
「車返しに来て、電気がついてたから」
言い訳をしながら中へ入ってきた。
もうみんな『グラン・ブルー』での打ち上げに行ってしまった。
何で?
よりによって他に調整付けられない最後の日に、こんな案件取ってくるのかな……
例によって島崎さんから渡された営業書類を片手に、ついため息が出た。
黒田さんと入れ代わりに名古屋から来る渡部さんは結構出来るらしいけど、人柄も分からないのにいきなり島崎さんの案件はお願い出来ない。満面の笑みで『今年最後の営業』と言って帰っていた島崎さんが恨めしい。
私はさっきからずっと技術さんのパズルと睨めっ子。画面の見過ぎで頭が痛くなってきた。
ちょっと休もう
息を吐いて立ち上がる。
両手を組んで真っ直ぐ身体を上に伸ばす。次いでゆっくり左右に倒して体側のストレッチ。肩を回したり脚を伸ばしたりしていたら
「真純?」
後ろから名前を呼ばれた。
その声にビクンと身体がすくむ。
ゆっくり振り返った入り口には黒田さん。ゾクリと恐怖が蘇ってきた。
嫌、だ…
「く、黒田さん……」
急速に喉が渇いて声が掠れる。
「車返しに来て、電気がついてたから」
言い訳をしながら中へ入ってきた。