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甘く、深く、繋がって
第20章 そばに、いる
何事もなかったかのように近付いてくる。
逃げようと後ろに下がって、隣の机の椅子に脚を取られた。
あっ!
マズイと思った時には視界が反転し、後ろに転んでしまっていた。
「真純!」
駆け寄って来る黒田さんの姿にみぞおちの辺りがギュッと引きつれる。
「大丈夫か?」
手が差し出され、首を左右に振りながら後退った。
「ち、近寄らないで下さい」
黒田さんの眉がクッと寄って。それでも一度引きかけた手をまた伸ばしてくる。
イヤッ
それ以上の距離を反射的にずり下がっていた。
「……何もしない」
「嫌です」
即座に拒否して、何とか自力で立ち上がる。
「真純」
「な、名前で呼ばないで下さい」
頭を左右に振って距離を開けて
怖い怖い怖い……
身体がすくむ。
逃げ出してしまいたい。
でも、まだ仕事の途中。明日から三箇(が)日までは施錠されてしまう。島崎さんの案件の担当を決めないことには帰れない。
「かわ」
「帰って下さい」
関わりたくなくて言葉を重ねた。
黒田さんの眉間のシワが深くなる。
「……ごめん」
発せられたのは謝罪の言葉。黒田さんが一歩後ろに下がって頭を下げた。
逃げようと後ろに下がって、隣の机の椅子に脚を取られた。
あっ!
マズイと思った時には視界が反転し、後ろに転んでしまっていた。
「真純!」
駆け寄って来る黒田さんの姿にみぞおちの辺りがギュッと引きつれる。
「大丈夫か?」
手が差し出され、首を左右に振りながら後退った。
「ち、近寄らないで下さい」
黒田さんの眉がクッと寄って。それでも一度引きかけた手をまた伸ばしてくる。
イヤッ
それ以上の距離を反射的にずり下がっていた。
「……何もしない」
「嫌です」
即座に拒否して、何とか自力で立ち上がる。
「真純」
「な、名前で呼ばないで下さい」
頭を左右に振って距離を開けて
怖い怖い怖い……
身体がすくむ。
逃げ出してしまいたい。
でも、まだ仕事の途中。明日から三箇(が)日までは施錠されてしまう。島崎さんの案件の担当を決めないことには帰れない。
「かわ」
「帰って下さい」
関わりたくなくて言葉を重ねた。
黒田さんの眉間のシワが深くなる。
「……ごめん」
発せられたのは謝罪の言葉。黒田さんが一歩後ろに下がって頭を下げた。