パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第21章 伝わる心

「拓真さんを、下さい」
羞恥に身体を朱に染めて、震える声で真純が紡いだ。

嬉しくて、自然と笑みが浮かぶ。
込み上げてくる愛しい想い。
「良いよ。あげる。……俺を、全部」
言った瞬間、真純が大きく目を見開いた。あっという間に盛り上がった透明な膜。眉根が寄って、ハラハラと溢れだす。
「た、くま、さ……」
キュッと目蓋を閉ざされた。

伝わった？

可愛くて、愛しくて、堪んない。
俺の全てを真純にあげる。身体も心も、俺の持つ全てを。

だから、真純は俺のそばにいて。ずっと俺の隣で笑ってて。

右手でそっと頬を包む。
「俺が、欲しい？」
涙を拭う俺に真純が小さく頷いた。ゆっくり目蓋を開き、真っ直ぐに見上げてくる。
「ほ、ほし……でっ、す」
すがりつくように伸ばされた両手。右手はそのまま首に掛けさせ、左手を取って指の背に口付けた。
「ん、あげる」
余裕があるように見せ掛けて、その実切羽詰まっているのは俺も同じ。早く真純と繋がりたい。真純を深く感じたい。
狂おしいほどに、真純が……欲しい。

チュッと音を立てて唇を離す。その手も首に掛けさせて、真純の瞳をじっと見詰めた。