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甘く、深く、繋がって
第22章 冬休み
いつも通りに仕事から帰り、玄関を開けた瞬間冷や汗が出た。
そこに並んでいたのは小さな真純の靴と今日本当に履いて来たのかと思う程やたらと手入れの行き届いたビジネスシューズ。
マズい……
「止めてください!」
叫ぶような真純の声に慌てて靴を脱ぎ捨てた。中に駆け込み自室のドアを開け放つ。薄暗いダウンライトの下、彼女に跨る兄貴の背中。
すべてが吹っ飛んだ。
兄貴を真純の上から引き剥がすと同時に殴り倒して。振り返った先に真純の蒼白な顔。乱れたパジャマ。
俺のせい……
胸が引き吊れるような罪悪感に近寄る事さえ躊躇して。ゆっくり身体を起こした真純に震えた声で名前を呼ばれ、ようやく抱き寄せる事が出来た。
まさか帰って来るとか。
兄貴にはまだ真純の事を話していなかった。強い女性不信はかつての俺と同じ。電話やメールで出来る話じゃない。とはいえ……
悔いたところで取り返しはつかない。
家に連れ込んだだけでも兄貴の怒りを買うには十分過ぎる。おそらく真純は一人、俺のベッドで寝ていた筈。となると、兄貴が真純にショックを与える為に言いそうな事は想像がついた。
そこに並んでいたのは小さな真純の靴と今日本当に履いて来たのかと思う程やたらと手入れの行き届いたビジネスシューズ。
マズい……
「止めてください!」
叫ぶような真純の声に慌てて靴を脱ぎ捨てた。中に駆け込み自室のドアを開け放つ。薄暗いダウンライトの下、彼女に跨る兄貴の背中。
すべてが吹っ飛んだ。
兄貴を真純の上から引き剥がすと同時に殴り倒して。振り返った先に真純の蒼白な顔。乱れたパジャマ。
俺のせい……
胸が引き吊れるような罪悪感に近寄る事さえ躊躇して。ゆっくり身体を起こした真純に震えた声で名前を呼ばれ、ようやく抱き寄せる事が出来た。
まさか帰って来るとか。
兄貴にはまだ真純の事を話していなかった。強い女性不信はかつての俺と同じ。電話やメールで出来る話じゃない。とはいえ……
悔いたところで取り返しはつかない。
家に連れ込んだだけでも兄貴の怒りを買うには十分過ぎる。おそらく真純は一人、俺のベッドで寝ていた筈。となると、兄貴が真純にショックを与える為に言いそうな事は想像がついた。