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第22章 冬休み

本気でどうこうする気はないくせに、要らない事を！
兄貴の言葉を否定した俺に、真純は素直に頷いた。
なかなか優れない顔色に、仕出かした事の大きさに気持ちが沈んでいく。

この先俺は真純を守り切れるのか？

どんなに強く思っていても現実は黒田からも、兄貴からも守ってやれてない。
僅かでも守れない危険性があるのなら、一緒にいるべきじゃない。
別れた方が良い。
そんな事、到底受け入れられる訳がなく。

失いたく、ない……

揺らぐ葛藤がそのまま口を吐いて出ていた。


『離さないで、下さい』

掠れた声で、でもハッキリと聞こえたその言葉。
胸が、詰まった。

――――離して、堪るか。

愛しい名を呼び、キツく真純の身体を抱き締めた。腕の中に収まる小さな身体。

無理、だ。
この温もりを手放すなんて、出来ない。

何としても真純を守り抜くと心に誓う俺に、真純が返してくれたのは思いもよらない彼女の強さで。

『誰に、何を、どうされようと、私は拓真さんと……一緒が良いです。邪魔されたって、負けませんから』

胸が、締め付けられる。
その強さに救われた。