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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
ランチを始めて間もなく、兄貴から届いたメール。
『マスミちゃんと話した』
それ、だけ。
何を話したとか、どう思ったのかという言葉は一切ない。
でも、それは兄貴が真純を認めたという事、『マスミちゃん』だと気付いたと言う事。
自分で判断するとは言われていたが、すぐに戻るとか……
まさか朝の謝罪までが芝居とは思わないが、真純に一人で怖い思いをさせた事が気に掛かる。
真純の事だ。あんな目に遭わされた兄貴であっても、ちゃんと話しに応じたに違いない。一つ一つに誠実に……
だからこそ、のメール。
そうやって兄貴の中の不信を拭い、真純は『女』ではなく『人』として自分を兄貴に認めさせた。だから真純が『マスミちゃん』である事も好意的に働いた。
それは容易に想像がつく。
一人で兄貴に合わせるつもりも相手をさせるつもりもなかった。話は俺の隣で、そう思っていたのに……
一人残さず連れてくれば良かった。
あの家で、俺の部屋で怖い目に遭わされたというのにな。思い直して反省しても今さらだ。俺はまた、守れなかった。
ごめん、真純
怖かったよな
兄貴と話してくれて、ありがとう
『マスミちゃんと話した』
それ、だけ。
何を話したとか、どう思ったのかという言葉は一切ない。
でも、それは兄貴が真純を認めたという事、『マスミちゃん』だと気付いたと言う事。
自分で判断するとは言われていたが、すぐに戻るとか……
まさか朝の謝罪までが芝居とは思わないが、真純に一人で怖い思いをさせた事が気に掛かる。
真純の事だ。あんな目に遭わされた兄貴であっても、ちゃんと話しに応じたに違いない。一つ一つに誠実に……
だからこそ、のメール。
そうやって兄貴の中の不信を拭い、真純は『女』ではなく『人』として自分を兄貴に認めさせた。だから真純が『マスミちゃん』である事も好意的に働いた。
それは容易に想像がつく。
一人で兄貴に合わせるつもりも相手をさせるつもりもなかった。話は俺の隣で、そう思っていたのに……
一人残さず連れてくれば良かった。
あの家で、俺の部屋で怖い目に遭わされたというのにな。思い直して反省しても今さらだ。俺はまた、守れなかった。
ごめん、真純
怖かったよな
兄貴と話してくれて、ありがとう