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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
シンシアが口角を引き上げた。
「あ、そっか。自分には勿体ないって分かってるんだ?」
ホント、いらない事を!
腕の中で身じろいだ真純の動きを咄嗟に止める。
「……うるさい」
まだシンシアが厨房にいた時は当然女をセックスの相手としか思ってなくて、よくその事で喧嘩を吹っかけられていた。相手にする気のなかった俺は毎回適当に流してはキレられていたのだが。
含むような物言いはシンシアがその事を暗に示してるのに違いない。聞かれたくなくて真純を強く抱き締めた。
「ね、マスミ」
やけに親しい感じにカチンと来る。
「名前で呼ぶな」
「もう!邪魔しないで」
シンシアの目尻が吊り上がった。
「真純に話し掛けんな」
つい互いにヒートアップして
「タク!」
桐生さんに腕を引かれるまで真純を苦しめるほどキツく抱き締めていたことに気付けなかった。
その音が聞こえるほどに大きく息を吸った真純。一瞬で背中に嫌な汗が浮く。
「大丈夫ですか?」
ふらつく彼女を桐生さんが支えるのを見て
「あ、ごめん」
ざわついていた気持ちが落ち着いた。
覗き込んだ真純は涙目で。俺の腕を掴み、ゆっくり息を整える。
「あ、そっか。自分には勿体ないって分かってるんだ?」
ホント、いらない事を!
腕の中で身じろいだ真純の動きを咄嗟に止める。
「……うるさい」
まだシンシアが厨房にいた時は当然女をセックスの相手としか思ってなくて、よくその事で喧嘩を吹っかけられていた。相手にする気のなかった俺は毎回適当に流してはキレられていたのだが。
含むような物言いはシンシアがその事を暗に示してるのに違いない。聞かれたくなくて真純を強く抱き締めた。
「ね、マスミ」
やけに親しい感じにカチンと来る。
「名前で呼ぶな」
「もう!邪魔しないで」
シンシアの目尻が吊り上がった。
「真純に話し掛けんな」
つい互いにヒートアップして
「タク!」
桐生さんに腕を引かれるまで真純を苦しめるほどキツく抱き締めていたことに気付けなかった。
その音が聞こえるほどに大きく息を吸った真純。一瞬で背中に嫌な汗が浮く。
「大丈夫ですか?」
ふらつく彼女を桐生さんが支えるのを見て
「あ、ごめん」
ざわついていた気持ちが落ち着いた。
覗き込んだ真純は涙目で。俺の腕を掴み、ゆっくり息を整える。