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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
じっと見詰めていると少し落ち着いていた頬がまた上気してきた。
ソレらしい話をしたことはない。早急かとも思ったが、その反応に嫌がられていないことを確信する。
「俺に嫌がられてると思って不安になったって事は、俺だけじゃない。そう思って良い、よね?」
後ろ頭から頬へと手を引いて、親指で目の下を撫でた。
小さく真純が息を吐く。熱を帯びた吐息に自然と口角が上がって。伸ばした指先で耳朶を擽り、潤む瞳に笑い掛けた。
「ね、真純?」
少し首を傾げて念を押すと更に赤く染まり行く。
「……はい」
「真純、その男誰だ?」
真純が頷いたのとほぼ同時、掛けられたのは圧されるかと思うほどに厳しい男の声。反射的に振り仰いだ真純の視線の先に見たことのない男が立っていた。
「そぉ、ちゃん?」
立ち上がった真純の顔が緊張している。僅かに青ざめた顔色。
一瞬兄が来たのかと思ったがそれにしては真純の反応がおかしい。
誰、だ?
日に焼けた精悍な顔付き。すらりとした長身。細く見えて、その実鍛えてあるのは姿勢の良さから容易に伺い知れて。
鋭い眼差しが俺を見ている。
「真純」
迷いなくこちらへ歩いてくる男に、椅子から立ち上がった。
ソレらしい話をしたことはない。早急かとも思ったが、その反応に嫌がられていないことを確信する。
「俺に嫌がられてると思って不安になったって事は、俺だけじゃない。そう思って良い、よね?」
後ろ頭から頬へと手を引いて、親指で目の下を撫でた。
小さく真純が息を吐く。熱を帯びた吐息に自然と口角が上がって。伸ばした指先で耳朶を擽り、潤む瞳に笑い掛けた。
「ね、真純?」
少し首を傾げて念を押すと更に赤く染まり行く。
「……はい」
「真純、その男誰だ?」
真純が頷いたのとほぼ同時、掛けられたのは圧されるかと思うほどに厳しい男の声。反射的に振り仰いだ真純の視線の先に見たことのない男が立っていた。
「そぉ、ちゃん?」
立ち上がった真純の顔が緊張している。僅かに青ざめた顔色。
一瞬兄が来たのかと思ったがそれにしては真純の反応がおかしい。
誰、だ?
日に焼けた精悍な顔付き。すらりとした長身。細く見えて、その実鍛えてあるのは姿勢の良さから容易に伺い知れて。
鋭い眼差しが俺を見ている。
「真純」
迷いなくこちらへ歩いてくる男に、椅子から立ち上がった。