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甘く、深く、繋がって
第23章 長い一日
「真純、千佳は?昨日から一緒に年越しするって話だったよな?」
俺に対する警戒を緩めないまま真純に話しかけるソウスケさんの口調は兄というよりは父親のソレ。決して厳しくはない。なのに詰問しているように感じるのは家に泊める度に真純に嘘を吐かせていた事に今さら気が付いたからか……
黙り込んだ真純を助けたのは姉と思しき女性を連れて来た桐生さんで。
「西園寺さんなら、もう着くと思いますよ」
にこやかな笑顔で場を取り繕ってくれた。
驚いていた真純も桐生さんとソウスケさんとの会話に少し状況を把握した様だった。
そんな中掛けられた言葉。
「君は、ここの店のスタッフなのか?」
当然と言えば当然の質問。でも少し唐突で、体感温度が一気に下がる。
「はい。ここのキッチンで調理をしています」
「そう」
短い返しとこれ見よがしに観察する鋭い眼差し。
「壮ちゃん」
無遠慮な視線を遮るように真純が間に入ってくれた。俺を庇うように少し後ろに腕を回して立っている。
その背中にさっきまで感じていた違和感はない。
……気のせいか
「大丈夫だよ。ありがとう、真純」
小さな肩をそっと抱き寄せた。
俺に対する警戒を緩めないまま真純に話しかけるソウスケさんの口調は兄というよりは父親のソレ。決して厳しくはない。なのに詰問しているように感じるのは家に泊める度に真純に嘘を吐かせていた事に今さら気が付いたからか……
黙り込んだ真純を助けたのは姉と思しき女性を連れて来た桐生さんで。
「西園寺さんなら、もう着くと思いますよ」
にこやかな笑顔で場を取り繕ってくれた。
驚いていた真純も桐生さんとソウスケさんとの会話に少し状況を把握した様だった。
そんな中掛けられた言葉。
「君は、ここの店のスタッフなのか?」
当然と言えば当然の質問。でも少し唐突で、体感温度が一気に下がる。
「はい。ここのキッチンで調理をしています」
「そう」
短い返しとこれ見よがしに観察する鋭い眼差し。
「壮ちゃん」
無遠慮な視線を遮るように真純が間に入ってくれた。俺を庇うように少し後ろに腕を回して立っている。
その背中にさっきまで感じていた違和感はない。
……気のせいか
「大丈夫だよ。ありがとう、真純」
小さな肩をそっと抱き寄せた。