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甘く、深く、繋がって
第24章 対峙
「し、嫉妬……?」
思わず繰り返した私に少しだけ眉を寄せ、黙り込んだ壮ちゃんに変わって応えたのは桐生さん。
「そう、良い雰囲気だったから、ね」
え?
あっ……
壮ちゃんに声を掛けられた時の事を思い出して一気に顔が熱くなった。
単純に見られていたことに対する恥ずかしさと拓真さんとの会話の内容と、に。
あの時、拓真さんは佐伯さんの『未来の嫁さん』が嫌じゃないって、そのつもりでいたって言ってくれた。
一緒に住むのは正直まだ怖い。怖い、けど……拓真さんが私との事をそんな風に考えてくれていたのが嬉しくて。じわじわと込み上げてきた幸せに涙を呼ばれる。
「ふっ、ぅ……」
「すみちゃん?」
心配そうに桐生さんが覗き込んで来た。隣からは千佳ちゃんが頭を抱き寄せてくれる。
「だ、大丈夫、です」
心配されるような事は何もない。涙を拭って顔を上げた。
「幸せだなぁって、実感してたんです」
言葉と同時、自然と浮かんでくる笑み。目が合った桐生さんかニコリと口角を上げてくれた。
「いっぱい幸せになりな」
頭を抱えたまま、髪をくしゃくしゃと乱す千佳ちゃんの手が温かい。正面から無言で私を見る壮ちゃんの瞳は優しくて。
「ありがとう」
また目頭が熱くなる。滲む景色を笑顔で誤魔化した。
思わず繰り返した私に少しだけ眉を寄せ、黙り込んだ壮ちゃんに変わって応えたのは桐生さん。
「そう、良い雰囲気だったから、ね」
え?
あっ……
壮ちゃんに声を掛けられた時の事を思い出して一気に顔が熱くなった。
単純に見られていたことに対する恥ずかしさと拓真さんとの会話の内容と、に。
あの時、拓真さんは佐伯さんの『未来の嫁さん』が嫌じゃないって、そのつもりでいたって言ってくれた。
一緒に住むのは正直まだ怖い。怖い、けど……拓真さんが私との事をそんな風に考えてくれていたのが嬉しくて。じわじわと込み上げてきた幸せに涙を呼ばれる。
「ふっ、ぅ……」
「すみちゃん?」
心配そうに桐生さんが覗き込んで来た。隣からは千佳ちゃんが頭を抱き寄せてくれる。
「だ、大丈夫、です」
心配されるような事は何もない。涙を拭って顔を上げた。
「幸せだなぁって、実感してたんです」
言葉と同時、自然と浮かんでくる笑み。目が合った桐生さんかニコリと口角を上げてくれた。
「いっぱい幸せになりな」
頭を抱えたまま、髪をくしゃくしゃと乱す千佳ちゃんの手が温かい。正面から無言で私を見る壮ちゃんの瞳は優しくて。
「ありがとう」
また目頭が熱くなる。滲む景色を笑顔で誤魔化した。