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甘く、深く、繋がって
第24章 対峙
「愛する人に愛される、それ以上の幸せはない。反対する訳がないだろう?」
向けられてるのは柔らかい眼差し。はるちゃんを見る時と同じ、温かい笑顔。胸がギュッと苦しくなった。
「守られたいではなく、守りたい。そう思える相手に出会えて良かったな」
「……そぅ、ちゃ……」
鼻の奥がツーンとする。あっと言う間に視界が滲んだ。
壮ちゃんが私の事を大切に思ってくれているのは分かってた。仕事を辞めてまで必死に探してくれたぐらいだから。
でもいつも感じてた、淡い幕。あと一歩、私からは踏み込めなくて、踏み込んでもらえない。それははるちゃんにしても同じ事で。
苦しくならないよう、私は自分から距離を取る事でそれを見ないふりをしてきた。でも――
そんなもの、壮ちゃんにはなかったんだ。
きっと、はるちゃんにも……
私の頭を優しく撫でる千佳ちゃんの手。涙は溢れる一方で。
「大丈夫だよ、すみちゃん。はじめのアレは“お兄ちゃんの嫉妬”だから」
フフッと笑った桐生さんをジロリと睨み付けて、でも壮ちゃんは否定しなかった。
向けられてるのは柔らかい眼差し。はるちゃんを見る時と同じ、温かい笑顔。胸がギュッと苦しくなった。
「守られたいではなく、守りたい。そう思える相手に出会えて良かったな」
「……そぅ、ちゃ……」
鼻の奥がツーンとする。あっと言う間に視界が滲んだ。
壮ちゃんが私の事を大切に思ってくれているのは分かってた。仕事を辞めてまで必死に探してくれたぐらいだから。
でもいつも感じてた、淡い幕。あと一歩、私からは踏み込めなくて、踏み込んでもらえない。それははるちゃんにしても同じ事で。
苦しくならないよう、私は自分から距離を取る事でそれを見ないふりをしてきた。でも――
そんなもの、壮ちゃんにはなかったんだ。
きっと、はるちゃんにも……
私の頭を優しく撫でる千佳ちゃんの手。涙は溢れる一方で。
「大丈夫だよ、すみちゃん。はじめのアレは“お兄ちゃんの嫉妬”だから」
フフッと笑った桐生さんをジロリと睨み付けて、でも壮ちゃんは否定しなかった。