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甘く、深く、繋がって
第25章 始まりの夜
壮助さんと悠さん、桐生さんに千佳。全員が願う真純の幸せ。
あの後、調理を終えて一緒飲んだ事で、より強くそれを感じさせられて。
壮助さん達に囲まれて笑う真純に彼女を幸せにする、と改めて誓う。
別れ際、壮助さんに真っ直ぐ見据えられた。あの目は真純が俺と一緒に帰るのに気付いている。
帰って来たのは五年ぶりらしいし、明日は帰すか。
部屋の都合を付けてくれた千太朗-せんたろう-には申し訳ないが……
切れ長の瞳を嫌そうに細める幼なじみの顔が頭に浮かぶ。
まぁ、何とかしてくれるだろう。
法外なキャンセル料を吹っ掛けて来る事もないな。
そんな事を考えていたら
「あ、の……」
タクシーに乗ってずっと黙っていた真純がようやく俺のコートの袖を引いた。
「うん?」
振り向いた彼女は少し俯いていて。顎を引いたまま見上げてくる上目遣いにクラクラする。
「そぉ、あ、兄が嫌な事言ったりしませんでしたか?」
少し震えた声。
何か言いたそうだとは思ってたけど、やはりその事か。
真純の不安を取り除くべく、笑顔を返す。
「そんな事ないよ」
壮助さんと悠さん、どちらの言葉も当然で、『嫌な事』ではない。
あの後、調理を終えて一緒飲んだ事で、より強くそれを感じさせられて。
壮助さん達に囲まれて笑う真純に彼女を幸せにする、と改めて誓う。
別れ際、壮助さんに真っ直ぐ見据えられた。あの目は真純が俺と一緒に帰るのに気付いている。
帰って来たのは五年ぶりらしいし、明日は帰すか。
部屋の都合を付けてくれた千太朗-せんたろう-には申し訳ないが……
切れ長の瞳を嫌そうに細める幼なじみの顔が頭に浮かぶ。
まぁ、何とかしてくれるだろう。
法外なキャンセル料を吹っ掛けて来る事もないな。
そんな事を考えていたら
「あ、の……」
タクシーに乗ってずっと黙っていた真純がようやく俺のコートの袖を引いた。
「うん?」
振り向いた彼女は少し俯いていて。顎を引いたまま見上げてくる上目遣いにクラクラする。
「そぉ、あ、兄が嫌な事言ったりしませんでしたか?」
少し震えた声。
何か言いたそうだとは思ってたけど、やはりその事か。
真純の不安を取り除くべく、笑顔を返す。
「そんな事ないよ」
壮助さんと悠さん、どちらの言葉も当然で、『嫌な事』ではない。