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甘く、深く、繋がって
第25章 始まりの夜
真純に頭を引き寄せられた。
見詰め合ったまま、静かに重なった唇。刹那、燻っていた身体が歓喜する。
じわりと染みる温かさ。
揺れる瞳を隠す様に真純が目蓋を伏せる。その端から涙が溢れた。

数回柔く啄んで、遠慮がちに滑り込んできた小さな舌。上唇の裏をソロリと這われて背中がゾクゾクする。
「ん……」
恐る恐る触れてくる柔な動きが焦れったい。絡め取ろうとして逃げられた。
チュと下唇を軽く吸って真純が顎を引く。
思わず吐いた息が熱い。
離された唇が寂しくて。
「俺も、して良い?」
鼻を擦り合わせ、返事も待たずに口付ける。ゆったりと舌を這わせ、角度を変えて深く絡めて。
頭に回されていた手を取り、指を絡めてベッドへ縫い止めた。
混じる唾液を真純に飲ませ
「んっ……んん」
溢れた甘い声に身体が痺れる。

っと……堪んない。
ね、真純。
もっと啼いて。
もっと俺を、欲しがって。

優しく愛したいのに、強引に捩じ込みたい。
相反する思いは根底が同じな故に主張し合って譲らない。

一度離れて気持ちを落ち着かせないと、本当に真純を壊しかねない。
いくら求めてもらえたとしても、それは無しだ。
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