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甘く、深く、繋がって
第26章 睦みあう
拓真さんに優しく身体を返された。
大きな右手に頬を包まれて。

温かい……

親指でそっと涙を拭われる。
じっと見詰めてくる柔らかな眼差し。胸の奥が熱くなって、ますます溢れてくる涙。
「どうした?」
心配そうに聞いてくれるけど
「わっ、かりませ……」
自分でも分からない。
「辛かった?」
聞かれて左右に首を振る。

辛いことなんてない。
気持ちが良くてどうにかなりそうだった。今も、欲しいと思ってしまう。
それ以上に拓真さんに愛してもらえてる事が嬉しくて、幸せで……
…………

そっか……
幸せ、だから……

嬉し涙

そう気が付いて、ますます涙が溢れ出す。

最近は嬉しくて泣いてばかり。
何て幸せなんだろう……

「真純」
拓真さんが小さく首を傾げて覗き込んでくる。私を案じてくれる瞳に胸がキューッと苦しくなった。
気を緩めたら嗚咽が漏れてしまいそうで、下唇をキュッと噛んだ。
左手を拓真さんの右手に重ねる。まだ少し痺れの残る右腕を持ち上げ、何とか拓真さんの首に掛けた。そのまま重力の力を借りて引き寄せて。合わさった額。顎を反らして軽く触れるだけのキスをした。
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