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第26章 睦みあう

ニコリと笑顔を向けて、殊更に顎を逸らさせる。
「ぁ……」
小さく零れた甘い声。
最中を思わせる響きにドキッとする。
目線は絡ませたままで。少し頭を起こして顔を寄せ、唇を重ねようとしてギュッと目を閉じられた。

……残念

少し強張った唇にそっと自分のそれを重ねる。
「んっ……」
軽く何度も啄むうちに
「ふっ……ん」
少しずつ解れて柔らかくなる。
僅かに開いた隙間にそっと舌を差し込み
「ぁっ」
ゆったりと唇の裏をなぞった。
「んっんん」
こぼれ落ちてくる甘い声。握った右手が震えてる。
まだ浅いキス。真純の些細な反応にさえ簡単に呼び起こされる俺の雄。
身体は怠い筈なのに、また繋がりたいと熱を持つ。
薄く開いた口合。
「！」
真純の舌に舌先を舐められて心臓が跳ねた。煽られるように一気に熱が高まって。
なのに真純はすぐに舌を引く。割りと本気の火を付けられて、そんな接触で満足出来る訳がない。深く追い掛けたいのをどうにか堪えた。
でも、もっと欲しくて閉ざされた歯列を舌先で軽くノックする。
何度目かの誘いに、漸く緩んだ合わせ。