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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
な、何で?

昨日、何故かホテルに千佳ちゃんが来てて、二人ではるちゃんの家まで送られた。
『せっかくだから、一緒に新年を迎えておいで』
って……
だから大晦日の夜は千佳ちゃんに壮ちゃん、はるちゃんの四人で、はるちゃんのマンションで新年を迎えたの。
夕方のニュースで初日の出がよく見えそうと言うのを聞いて、見に行こうって決まったのは年を越えてから。

何で、拓真さんと桐生さんがいるの?

エレベーターを降り、エントランスで待っていた二人に驚いた。
パチンと拓真さんと目が合って、その目元がふぅっと綻ぶ。ゆっくりと引き上がる口角にドキッとした。
「明けましておめでとうございます」
柔らかな笑みで挨拶されて、慌てて私も頭を下げる。
「あっ明けましておめでとうございます」
隣で千佳ちゃんたちも新年の挨拶を交わしてる。
「急に頼んだのにありがとう」
「大丈夫ですよ」
「お声掛け下さってありがとうございます」
壮ちゃんの言葉ににこやかに応じる桐生さんと拓真さん。

??
壮ちゃんが、呼んだの?

「では、早速行きましょうか」
いつもの穏やかな桐生さんの微笑みに促され、よく分からないままエントランスを後にした。
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