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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
考える事は大体皆同じらしい。
サービスエリアで軽く朝食を取り、向かった神社は初詣に来た人で溢れていた。目の前の駐車スペースが空いて助かった。

参道を埋め尽くす人の波。小さな真純が潰されないよう、抱え込んでゆっくり進む。
まぁ予想はしていたが、参拝を終えて列を離れた時、そこには真純しか居なかった。
今しがた離脱した列にも、御札や御守りを買う人の列にも、それらしい人影は見当たらない。
社殿から少し離れた所に立つ灯籠を背に電話を掛ける事にした。
真純は悠さんと千佳に。俺は桐生さんに。
数回のコールの後応じた桐生さんは参拝の列を俺達とは反対側に離れ、千佳が御守りを買うのに一緒に並んでいるとの事だった。買い終わったら改めて連絡をもらう約束をして通話を切る。
すぐ隣に立つ真純を見下ろすと眉の下がった、不安そうな瞳に見上げられた。

……何か、あった?

コートの裾を握る小さな手を包む。
「うん、分かった。待っててね」
一度携帯の画面に視線を落とし、真純が改めて顔を上げた。
「あの……壮ちゃんからメールが来てて。電話したらはるちゃんが人に酔ったって……」
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