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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
「大丈夫なの?」
「はい。話した声は大丈夫そうでした。……でも今日は参拝は止めて、石段の下で待ってるそうです」
「そう……」
参拝者の列を振り返る真純は心配そう。
「桐生さんは千佳と一緒だったよ。千佳が御守りを買いたいって並んでるって。大分かかりそうだから、壮助さん達の所まで戻ろうか?」
そう提案してみたが、小さく首を横に振られた。
「二人に交通安全の御守り頼まれました」
は?
御守り?
売り場に群がるたくさんの人に真純の眉が下がる。軽く三十分は掛かりそうだ。
御守りなんて別に今日じゃなくても良くないか?
悠さんの具合が良くないのなら尚更……
疑問に思って、ふと浮かんだその理由。真純は千佳達ともはぐれて俺と二人だと壮助さんに伝えていた。
……まさか、な
都合の良い考えを頭から払う。
俺が並んで真純だけ先に戻らせることも考えたが、この人波で単独行動は危険過ぎる。一番早く合流するにはこれが確実で手っ取り早い。
「千佳に頼もう」
時間を気にしてるだろうに、遠慮がちな真純は迷うように視線を揺らす。
「今から列に並ぶより、その方がきっと早いよ」
また多くなった人影を見て、真純がようやく頷いた。
「はい。話した声は大丈夫そうでした。……でも今日は参拝は止めて、石段の下で待ってるそうです」
「そう……」
参拝者の列を振り返る真純は心配そう。
「桐生さんは千佳と一緒だったよ。千佳が御守りを買いたいって並んでるって。大分かかりそうだから、壮助さん達の所まで戻ろうか?」
そう提案してみたが、小さく首を横に振られた。
「二人に交通安全の御守り頼まれました」
は?
御守り?
売り場に群がるたくさんの人に真純の眉が下がる。軽く三十分は掛かりそうだ。
御守りなんて別に今日じゃなくても良くないか?
悠さんの具合が良くないのなら尚更……
疑問に思って、ふと浮かんだその理由。真純は千佳達ともはぐれて俺と二人だと壮助さんに伝えていた。
……まさか、な
都合の良い考えを頭から払う。
俺が並んで真純だけ先に戻らせることも考えたが、この人波で単独行動は危険過ぎる。一番早く合流するにはこれが確実で手っ取り早い。
「千佳に頼もう」
時間を気にしてるだろうに、遠慮がちな真純は迷うように視線を揺らす。
「今から列に並ぶより、その方がきっと早いよ」
また多くなった人影を見て、真純がようやく頷いた。