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甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
「私は認めない!あんなお」
「黙れ」
「みゆき!」
みゆきを制止する声が黒田と重なった。
「お前の許可は要らない。勝手な妄想で真純を貶めてんなよ」
「妄想じゃない!現に」
「違う!」
俺に噛みついてきたみゆきを遮ったのは黒田だった。
「違うって、みゆき。河合さんは、そんな人じゃない。何度言えば分かんだよ」
続いた言葉に真純の手が震えた。
それは、真純の事で黒田はみゆきと何度も話してる、ということでもあって……
真純の心中を思うと、黒田より先にみゆきを止められなかった事が悔やまれる。
「騙されてるんだって!どうして分からないの!?」
「声が大きい」
黒田に注意され、みゆきが剣呑な目で彼を睨み上げる。
どうやって説得するか、頭を巡らせていると真純に手を強く握られた。
「あ、の……」
大きくはないが、凛とした声。
思わず振り返り、真っ直ぐ顔を上げた真純と目が合った。
「真純」
少しだけ微笑んで、俺の後ろから歩み出る。
「みゆきさん」
「……何よ」
呼ばれたみゆきが険しい顔付きで真純を見返す。繋いだ手にまた力が入った。その指先が、冷たい。
……何を、言おうとしてる?
「黙れ」
「みゆき!」
みゆきを制止する声が黒田と重なった。
「お前の許可は要らない。勝手な妄想で真純を貶めてんなよ」
「妄想じゃない!現に」
「違う!」
俺に噛みついてきたみゆきを遮ったのは黒田だった。
「違うって、みゆき。河合さんは、そんな人じゃない。何度言えば分かんだよ」
続いた言葉に真純の手が震えた。
それは、真純の事で黒田はみゆきと何度も話してる、ということでもあって……
真純の心中を思うと、黒田より先にみゆきを止められなかった事が悔やまれる。
「騙されてるんだって!どうして分からないの!?」
「声が大きい」
黒田に注意され、みゆきが剣呑な目で彼を睨み上げる。
どうやって説得するか、頭を巡らせていると真純に手を強く握られた。
「あ、の……」
大きくはないが、凛とした声。
思わず振り返り、真っ直ぐ顔を上げた真純と目が合った。
「真純」
少しだけ微笑んで、俺の後ろから歩み出る。
「みゆきさん」
「……何よ」
呼ばれたみゆきが険しい顔付きで真純を見返す。繋いだ手にまた力が入った。その指先が、冷たい。
……何を、言おうとしてる?