この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘く、深く、繋がって
第28章 初詣
「仮令(たとえ)真純が赦したとしても、俺はお前を赦さない。……同じ男なら分かるよな?」
真純の負った痛みを思うと出来ることなら抹殺してしまいたい。言外にその意思を漂わせて威圧する。見据える先で、黒田の眉間の皺が深くなった。
「今後一切、真純に関わるな。顔を出すのも赦さない」
「……あぁ、分かった」
静かに返された答え。その言葉通り、黒田がもう真純に関わって来る事はないだろう。
繋いだ手に力が入った。包むように握り返して。
みゆきに視線を戻す途中、離れた所でみゆきと一緒にいた二人がこっちを伺っている事に気が付いた。
女性が隣に立つ男性の腕を押さえている。女性の方は顔の造りがみゆきと似てる。何より不審な目で俺を見ているからには、やはり両親なんだろう。
これ以上の面倒は要らない。
「早く行けよ」
帰りを促す声が低くなった。
「あの二人に説明する気はないんだけど」
それはみゆきも同じだった様で、口角を下げて黙り込む。
「帰るぞ、みゆき」
黒田が彼女の肩に手を掛けた。そのまま後ろに引かれ、みゆきが弾かれるようにその手を払った。
真純の負った痛みを思うと出来ることなら抹殺してしまいたい。言外にその意思を漂わせて威圧する。見据える先で、黒田の眉間の皺が深くなった。
「今後一切、真純に関わるな。顔を出すのも赦さない」
「……あぁ、分かった」
静かに返された答え。その言葉通り、黒田がもう真純に関わって来る事はないだろう。
繋いだ手に力が入った。包むように握り返して。
みゆきに視線を戻す途中、離れた所でみゆきと一緒にいた二人がこっちを伺っている事に気が付いた。
女性が隣に立つ男性の腕を押さえている。女性の方は顔の造りがみゆきと似てる。何より不審な目で俺を見ているからには、やはり両親なんだろう。
これ以上の面倒は要らない。
「早く行けよ」
帰りを促す声が低くなった。
「あの二人に説明する気はないんだけど」
それはみゆきも同じだった様で、口角を下げて黙り込む。
「帰るぞ、みゆき」
黒田が彼女の肩に手を掛けた。そのまま後ろに引かれ、みゆきが弾かれるようにその手を払った。