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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
う、そ……
一瞬自分の目に映ったものを信じられなかった。参拝に並ぶ人たちを数メートル戻った所に見つけたみゆきさんと黒田さん。
何で?
どうして一緒に居るの?
二人は知り合い?
みゆきさん、拓真さんの高校と地元同じって?
黒田さんも、なの?
……え、じゃあ拓真さんも黒田さんの事知ってる、とか……
目を反らしたいのに驚きのあまり離せなくて、黒田さんとしっかり目が合ってしまった。
少し目を見開いた黒田さんはすぐにその表情を消し、隣を歩くみゆきさんに話し掛けた。私の事を話されてしまうのかと緊張したけれど、みゆきさんは一向にこっちを向く気配はなくて。
……もしかして、私の方を向かないようにしてくれている?
パニックに陥りそうだった心が、なんとか平静を取り戻した時
「真純?」
肩に触れて来た拓真さんに顔を覗き込まれた。ドキッとして、でもみゆきさん達に気付かれないよう
「だ、大丈夫です。私も人に酔ったみたいで」
なるべくゆっくり顔をふる。
「ちょっと掴まって?」
眉を潜めた拓真さんが少し屈んだと思うと、私の腕を首に掛けさせて。そのまま膝を掬われ、横向きに抱き上げられてしまった。
一瞬自分の目に映ったものを信じられなかった。参拝に並ぶ人たちを数メートル戻った所に見つけたみゆきさんと黒田さん。
何で?
どうして一緒に居るの?
二人は知り合い?
みゆきさん、拓真さんの高校と地元同じって?
黒田さんも、なの?
……え、じゃあ拓真さんも黒田さんの事知ってる、とか……
目を反らしたいのに驚きのあまり離せなくて、黒田さんとしっかり目が合ってしまった。
少し目を見開いた黒田さんはすぐにその表情を消し、隣を歩くみゆきさんに話し掛けた。私の事を話されてしまうのかと緊張したけれど、みゆきさんは一向にこっちを向く気配はなくて。
……もしかして、私の方を向かないようにしてくれている?
パニックに陥りそうだった心が、なんとか平静を取り戻した時
「真純?」
肩に触れて来た拓真さんに顔を覗き込まれた。ドキッとして、でもみゆきさん達に気付かれないよう
「だ、大丈夫です。私も人に酔ったみたいで」
なるべくゆっくり顔をふる。
「ちょっと掴まって?」
眉を潜めた拓真さんが少し屈んだと思うと、私の腕を首に掛けさせて。そのまま膝を掬われ、横向きに抱き上げられてしまった。