この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
「たっ、拓真さん!」
目立ちたくなくて身動いで。
「危ないからじっとしてて」
強く引き寄せられてしまう。
「あっちのベンチまで行くだけだから」
諭すような声に、却って目立つ事に気が付いて抵抗するのを諦めた。
大人しく拓真さんに身体を預け、少し歩いた所でそっとおろされた。
境内の端のベンチ。
譲ってもらったみたいで申し訳ない。そう思うけど、拓真さんにみゆきさん達の事を悟られないためにはどうすれば良いのかを考えるだけで精一杯。お礼も言えずに俯いてしまった。
「ここで落ち着くまで休もう。合流するのはその後で、ね?」
正面に膝を付いて覗き込んでくる。心配そうな眼差し。その肩越しにみゆきさんの後ろ姿が目に入って
「は、い。スミマセン……」
慌てて視線を落とした。
拓真さんは何も言わず後ろを振り返る。

あ、しまった……

不自然だったと後悔して、拓真さんがみゆきさん達に気付かない事を必死に祈る。
やがて静かにこっちを向いた拓真さん。黙ってじっと見詰めてくる気配に内心ヒヤヒヤしながら顔を上げた。
瞬きで気持ちを落ち着かせ、ゆっくりと口角を笑みの形に引き上げて。

どうか、気付かれませんように……

/813ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ