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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
クラウチさんと真純が話し始めた辺り、少し離れた場所で桐生さんが千佳を引き留めてくれているのに気が付いた。桐生さんと話しながら剣呑な目つきになっていく千佳に嫌な予感はしていたが。
案の定みゆき達が去った後、駆け寄ってきた彼女に散々怒られた。俺だけじゃなく、真純も。
みゆきの事を知らされていなかったらしい。二人揃って次トラブルが起きた時は千佳に相談すると誓わされてしまった。
こんな事、次があって堪るか。
疲れて眠る真純を起こさないよう、小さく息を吐く。
見下ろす彼女は簡単に腕の中に収まるほどに小さい。以前にも増して華奢なのは、恐らくみゆきの事でちゃんと食事を取れてなかったんだろう……
俺が、守る。
そう思っていた。
でも、真純は俺の腕の中で安穏としているのを由としなかった。
華奢な身体のどこにそんな力があるのか、背に庇おうとした俺を拒んでみゆきと向き合う。
辛い思いをたくさんさせられて来ただろうに……真っ直ぐみゆきを見詰める凛とした横顔。その眼差しは強く、優しくて。
『私はそうなった時の虚しさや苦しみを知ってます』
そう言って真純は一度口を閉ざした。
案の定みゆき達が去った後、駆け寄ってきた彼女に散々怒られた。俺だけじゃなく、真純も。
みゆきの事を知らされていなかったらしい。二人揃って次トラブルが起きた時は千佳に相談すると誓わされてしまった。
こんな事、次があって堪るか。
疲れて眠る真純を起こさないよう、小さく息を吐く。
見下ろす彼女は簡単に腕の中に収まるほどに小さい。以前にも増して華奢なのは、恐らくみゆきの事でちゃんと食事を取れてなかったんだろう……
俺が、守る。
そう思っていた。
でも、真純は俺の腕の中で安穏としているのを由としなかった。
華奢な身体のどこにそんな力があるのか、背に庇おうとした俺を拒んでみゆきと向き合う。
辛い思いをたくさんさせられて来ただろうに……真っ直ぐみゆきを見詰める凛とした横顔。その眼差しは強く、優しくて。
『私はそうなった時の虚しさや苦しみを知ってます』
そう言って真純は一度口を閉ざした。