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甘く、深く、繋がって
第29章 ・・・のために
少しキツ目に寄せられた眉。気持ちを落ち着かせる様に吐かれた息。
何となく、真純が言ってるのは事件で感じた事だけではないような気がした。みゆき曰く真純の元彼の言葉はあながち嘘ではないのかも……感じた不安は
『もう、二度とあんな闇に堕ちたくないし、拓真さんを堕としたくもありません』
力を籠められた手に確信する。
真純がその闇に落とされたのは一度じゃない。極めつけが、あの事件……
どれだけ苦しい思いをさせられて来たんだ。
真純を悼む気持ちと同時に湧いた過去の自分への嫌悪。
どんな理由があろうと、俺がしてきた事は真純の言う闇に相手を突き落とす行為だ。みゆきもその被害者の一人……
どんなに悔いても今さら、だ。
気付けばみゆきの怒りは引いていた。
『地元に帰る』と言った彼女にクラウチさんも黒田も驚かなかった。初めからその予定だったんだろう。
『もう上京してくることもない』そこまで言ったのは、みゆきなりの謝罪か……
みゆきを納めてくれた真純。
守るつもりがその実、俺が守られて。真純に救われている。つくづくそう思う。
細い肩をそっと抱き寄せ、柔らかな髪に口元を埋めた。
何となく、真純が言ってるのは事件で感じた事だけではないような気がした。みゆき曰く真純の元彼の言葉はあながち嘘ではないのかも……感じた不安は
『もう、二度とあんな闇に堕ちたくないし、拓真さんを堕としたくもありません』
力を籠められた手に確信する。
真純がその闇に落とされたのは一度じゃない。極めつけが、あの事件……
どれだけ苦しい思いをさせられて来たんだ。
真純を悼む気持ちと同時に湧いた過去の自分への嫌悪。
どんな理由があろうと、俺がしてきた事は真純の言う闇に相手を突き落とす行為だ。みゆきもその被害者の一人……
どんなに悔いても今さら、だ。
気付けばみゆきの怒りは引いていた。
『地元に帰る』と言った彼女にクラウチさんも黒田も驚かなかった。初めからその予定だったんだろう。
『もう上京してくることもない』そこまで言ったのは、みゆきなりの謝罪か……
みゆきを納めてくれた真純。
守るつもりがその実、俺が守られて。真純に救われている。つくづくそう思う。
細い肩をそっと抱き寄せ、柔らかな髪に口元を埋めた。