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甘く、深く、繋がって
第7章 失態
朝飛び入りで入った回線移転の仕事。動かせるのは二人で同じ現場に入る黒田さんか畠山さん。私は迷う事なく畠山さんに午後から新規の案件を頼んだ。
残した黒田さんからヘルプの電話が掛かってきたのは二時過ぎだった。
『ごめん、手が空いたら手伝いに来て』
「えっでも私お役に立てるか分かりません」
黒田さんが珍しく電話してくる程の現場。躊躇して、でも黒田さんを残したのは私。他の皆も現場に出払ってる。
『うん、急で困らせてるのも分かってるんだけど、クライアント対応してくれるだけでも助かるから、お願いします』
「う……」
現場で口を挟んでくる依頼者さんは少なくない。その相手をしながら作業するのがどんなに大変かはよく分かる。
『悪い、時間ないんだ。今度美味いものご馳走するから、頼む。待ってるから』
「く、黒田さん!」
呼び掛ける途中で切れた通話。黒田さんの切羽詰まった声、初めて聞いた。
私はふぅと息を吐いて作成中の作業報告書へ視線を移した。
急いで仕上げれば二十分位で出られそう。残りは明日頑張るか。
頭の中でスケジュールを書き変えて、現場に行く許可を貰いに課長の元へ行くことにした。
残した黒田さんからヘルプの電話が掛かってきたのは二時過ぎだった。
『ごめん、手が空いたら手伝いに来て』
「えっでも私お役に立てるか分かりません」
黒田さんが珍しく電話してくる程の現場。躊躇して、でも黒田さんを残したのは私。他の皆も現場に出払ってる。
『うん、急で困らせてるのも分かってるんだけど、クライアント対応してくれるだけでも助かるから、お願いします』
「う……」
現場で口を挟んでくる依頼者さんは少なくない。その相手をしながら作業するのがどんなに大変かはよく分かる。
『悪い、時間ないんだ。今度美味いものご馳走するから、頼む。待ってるから』
「く、黒田さん!」
呼び掛ける途中で切れた通話。黒田さんの切羽詰まった声、初めて聞いた。
私はふぅと息を吐いて作成中の作業報告書へ視線を移した。
急いで仕上げれば二十分位で出られそう。残りは明日頑張るか。
頭の中でスケジュールを書き変えて、現場に行く許可を貰いに課長の元へ行くことにした。