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甘く、深く、繋がって
第31章 捕らわれたのは
ハマダが激しく咳き込みながらその場に崩れ落ちる。
「大丈夫ですか?」
慌てて屈んで様子を伺う真純にやり過ぎたとは思ったが。一度着いた火はそう簡単に落ち着かない。
両手を強く握り締め、目を閉ざして。深く息を吐き、怒りをやり過ごそうと試みる。
何度目かの深呼吸の途中でそっと触れてきた小さな手。目を開けると眉を下げた真純が俺の右の拳を両手で包んでくれていた。
「ごめん」
辛いのは真純、なのに……
彼女の前でハマダに対する怒りを抑えきれなかった事を悔いる。
小さく左右に首を振り、俺を見上げる柔らかな眼差し。無言で見詰め返すだけでささくれだった気持ちが凪いでいく。
一つ息を吐いてハマダに向き直った。
絞め落とそうとした事を謝罪すると、ハマダからも改めて真純に頭を下げられた。
その場で彼と別れ、真純を連れて公園を出た。
二人とも無言で駐車場まで歩く。車に乗り込んで、隣に座る真純の表情が優れない事に気が付いた。
あんな事の後だから……と思いながらも気にかかる。
話し掛けても言葉を濁される。そんな状況で店に入る気分にもなれず、真っ直ぐ家に連れて帰る事にした。
「大丈夫ですか?」
慌てて屈んで様子を伺う真純にやり過ぎたとは思ったが。一度着いた火はそう簡単に落ち着かない。
両手を強く握り締め、目を閉ざして。深く息を吐き、怒りをやり過ごそうと試みる。
何度目かの深呼吸の途中でそっと触れてきた小さな手。目を開けると眉を下げた真純が俺の右の拳を両手で包んでくれていた。
「ごめん」
辛いのは真純、なのに……
彼女の前でハマダに対する怒りを抑えきれなかった事を悔いる。
小さく左右に首を振り、俺を見上げる柔らかな眼差し。無言で見詰め返すだけでささくれだった気持ちが凪いでいく。
一つ息を吐いてハマダに向き直った。
絞め落とそうとした事を謝罪すると、ハマダからも改めて真純に頭を下げられた。
その場で彼と別れ、真純を連れて公園を出た。
二人とも無言で駐車場まで歩く。車に乗り込んで、隣に座る真純の表情が優れない事に気が付いた。
あんな事の後だから……と思いながらも気にかかる。
話し掛けても言葉を濁される。そんな状況で店に入る気分にもなれず、真っ直ぐ家に連れて帰る事にした。