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甘く、深く、繋がって
第32章 溶け合う身体(前)
『俺が...ヤラシクしてる』
それは私が厭らしくなるのは俺のせい、と言っているのも同然で。この先も私が気に病まなくて済むよう気遣ってくれる拓真さんに、胸の奥が熱くなった。

私はいつも、拓真さんに守られている

何度となく不安になって、その都度それを取り除いてくれる拓真さん。呆(あき)れる事なく、変わらず愛してくれている。
もう大丈夫と思えていたはずなのに、些細なきっかけで揺らいでしまう。
じわりと目頭が熱くなった。
拓真さんに不安になる事なんて、何もない。
「はい」
やっと応える事が出来た私に、拓真さんの笑みが深くなった。
唇が触れ合うギリギリまで顔を寄せ、私の心臓の鼓動を跳ねさせる。反射的に目を閉ざすと
「身体だけじゃなく、心でも俺を感じて気持ち良くなって?」
そっと囁き掛けてくる。
かかる吐息と掠めるように触れる唇。その感触と甘いテノールにどうしようもなく身体が震える。
「た、たくまさ、ん」
話すと微かに触れる唇。
「うん?」
聞き返しながら舌先でなぞられて息が上がる。身体がシュクシュクし始めた。
厭らしくなりたくないとあんなに思ってたはずなのに、もう拓真さんに触ってもらいたいと願ってる。

『感じやすい』だけじゃない。私の身体はこんなにも厭らしく、はしたない。
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