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五十嵐さくらの憂鬱。
第10章 …10
満たされるとは、こういう気持ちをいうのだと
さくらはしみじみと思った。
午後の授業を聞きながら
教授の言葉は右から左へ抜けた。

あんな場所で
久しぶりの挿入をされるとは思ってもみなかった。
気持ちは昂ぶり、
そして疲労感と倦怠感が身体を襲う。
満足感と幸福感に満たされ
さくらは眠くなってくるのを必死に抑えて
板書を写した。

ーーー気持ちよかったーーー

中でイくという感覚が
なんとなくだが分かって来たような気がしなくもない。
ただ、ソトでイく方がまだイきやすく
樹もそれを分かっていて
さくらの身体を焦らしていた。

ーーーたぶん、覚えさせているんだ…身体にーーー

気持ちいいという感覚を。
樹という存在を。
身体全てに、覚えさせようとしている。

そんな気がして
さくらはこの上なく幸せな気持ちに浸った。

ついこの間、真綾に言われたことは何処へやら
幸せすぎてにやけてしまうじぶんがいて
パンパンと頬を叩いて
緩み切った筋肉に力をいれた。


それより少し前。

「あ、樹!」

夏月は廊下を歩く樹を見つけて駆け寄った。

「ん…さては、誤解は解けたかな?」

夏月の言葉に樹は口の端をニヤリと持ち上げる。
いつもの樹だ。
夏月も安心してニヤリと返す。
樹の棘のあるオーラは何処へやら
まあるく、柔らかなオーラに戻っていた。

「よかったね。心配したよ」
「ああ、悪かったな」
「で、どこでしたの?」

夏月の爆弾に樹は笑みを引きつらせた。

「どこでしたの? セックス」

夏月の追い打ちは厳しい。
可愛らしい顔と仕草に似合わず
夏月は割とズケズケと言う。
特に、樹には。
付き合いが長いせいでもある。

「関係ないだろ」
「樹が女とのセックスの場所を隠すの、初めてだな。
よっぽどいれこんでるね、さくらちゃんのこと」

それにも、関係ないと言う顔をしたが
その樹の面の皮の下で
樹がニヤニしているのを
夏月は知っている。

「ま、いっか。
とりあえず、丸く収まってよかったよ」

その夏月に向かって
樹はふん、と鼻を鳴らした。

「俺を誰だと思ってるんだよ。
うまくいかないことなんてないさ」
「なんだよ、さっきまで彼女とうまくいかなくて
人殺しそうな目をしてたやつの台詞かよ」

夏月は口を尖らせ、そのあとニヤリと人懐こい笑みを浮かべながら笑った。
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