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五十嵐さくらの憂鬱。
第14章 …14
ソファで寝始めるさくらに
立ったまま樹が上から覆いかぶさるようにキスをする。
至極当然で、甘いキス。
優しくて、全てをくれるキス。

さくらは王子様のキスで目を覚ます。

「お目覚めかな、お姫様」

長い髪の毛を指に巻きつけて
樹が覗き込んでくる。

「俺も出たし、そろそろ寝るか」

うーん、と大きく伸びをした樹の股間が
さくらの目の前にあった。

ーーーいつも、これが私をーーー

見つめてしまい、自分だけで気まずくなる。
そして、なぜか急に切なくなり
樹が愛おしくなって
ぎゅっとお腹周りに手を回してしがみつく。
樹はさくらの珍しい行動に驚きよろけた。

「さくら…!?
どうしたの? 具合悪い?」

樹の声が樹に触れている所から
響いて聞こえる。
なんとも言えない心地よい感覚だった。

「んーん。悪くない。
……先輩、好きです…」

顔をうずめた箇所が悪かった。
ちょうど、股間のあたり。
さくらにキスをしていたのと
息がかかったせいか
そこは固くなり始めていた。

「先輩…もしかして…」

ーーー勃ってる?ーーー

さくらは樹の許可もなく
スウェットの上から優しく触れた。

樹はいたずらっ子のような顔で
そんなさくらを見下ろしていた。
さくらが見上げれば
目をパチパチさせる。

「何?」
「いえ…あの…か、固くなってきたなぁ、と…」
「そりゃ、彼女に触られればなるけど?」

触れば触るほどに、樹のそれは硬さを増す。

「…あ、の、近くで見てもいいですか?」
「いいけど、もう寝るんだからベッドに行こう」

2人はベッドに移動し
そしてさくらは恐る恐る樹のスウェットを下げた。

パンツの上からでもわかる。
樹のそれは固く充血し始め
盛り上がっている。

「変態…」

さくらが躊躇していると
手を掴まれてそれに誘導される。

「いいよ、触っても。面白いだろ?」
「あ…」

恥ずかしく思いながらも
それを触らずにはいられない。
さくらが触るたびにさらに固くなっていく。

「直に触ってもいいですか…?」

いいよ、という返事の代わりに
樹は黒のボクサーパンツを下ろす。

出てきたそれに
さくらは息を飲んだ。
何度も犯されてはいるが
実際に認識しようとして見ると
ますます不思議に大きい。
こんなのが自分の中で暴れていると思うと
背筋が寒くなると同時に
快楽が思い出された。
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