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リリスの双子 ―悪魔が見た男女の記録―
第4章 図書館の女
「気分が、悪くて……少し休んでからでもいいですか?」
丁寧な言葉使いに、ますますクレアは混乱した。
こんなに礼儀正しい少年が、下品な好奇心から調べものをするだろうか。
何か事情があるのでは。
「どうかしたのですか?」
「あの……淫魔って知ってますか?」
クレアは率直すぎる質問に面食らった。
まさかこんなに綺麗な少年が『淫魔』という言葉を口にするなんて。
クレアは周囲に人がいないのを確認すると、やや声を潜めて答えた。