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第4章 図書館の女

真面目そうだし、この手の知識を吹き込んでくれる悪友もいなかったのだろう。
そうやって、一人で悪魔の影に怯えているのだ。

クレアは急にこの少年に親しみを覚えた。
頭でっかちなところが、クレアの若い頃に重なる。

こんなに美しい顔をしているのに、何も知らないのだ。

突然、この少年の前では、自分がとても大きな存在であるように感じた。
いつもは男に見下されることにビクビクしている、この自分が。

こうなると、性に怯える少年が可愛らしくて仕方がない。
歳上の女として、講釈を垂れてみたい気になった。