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リリスの双子 ―悪魔が見た男女の記録―
第4章 図書館の女
ちょうど閉館時間だ。
クレアは利用者たちを追い出すと、後の作業を請け負って同僚たちも帰らせた。
普段から職務に熱心だったため、誰も疑わない。
クレアはただ、異性と二人きりで話がしてみたかった。
女学生のように胸が高鳴っていた。
町の男たちはクレアを可愛いげがないと罵り、女たちも頭の良さを鼻にかけた行き遅れと噂する。
でもこの少年は違う。
誰もが振り返るような美しい少年が、不安そうな顔でクレアの言葉を待ってくれているのだ。