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リリスの双子 ―悪魔が見た男女の記録―
第4章 図書館の女
一度人垣が出来てしまうと、雪だるま式に男たちが増えていった。
下卑た口笛が飛び交い、クレアの裸体に手を伸ばす輩も出てくる。

「触らないでっ! やめてっ!」

群がる男たちの中に、見知った顔を見つけた。

クレアの心臓が凍りつく。

図書館によくやってくる利用者だ。
こんな姿を見られて、自分はこれから一体どうすればいいのだろう。

図書館の建物の窓から、あの少年がこっちを見ていた。
指で軽く手招きをされる。

もう戻ってもいいということだろうか。

クレアは男たちを突き飛ばして、転がるように走りだした。
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