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第5章 幼い令嬢

二次性徴期を迎えた体は少し凹凸が出てきたものの、まだ幼さを残している。
ほっそりとした手足に、白いシンプルなドレスがよく似合っていた。

花壇のあるエリアに来て、コレットはぴたりと立ち止まった。

そこには手を土まみれにした少年の姿があった。
しゃがみこんで雑草を処理しているらしい。

穏やかな風が吹いて、薄紫色のアネモネが揺れた。
少年は手が汚れているのも構わず、茶色の髪を耳にかける。

コレットは慌てて自分も髪をなでつけ、ドレスの裾を押さえつけてシワが出来ていないことを確認した。
この少年の前でみっともない姿は見せたくない。