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リリスの双子 ―悪魔が見た男女の記録―
第5章 幼い令嬢
「アルベリオ、何をしているの?」
側に寄って話しかける。
近くに来ただけで胸がどきどきする。
少年は手を動かしたまま、抑揚のない声で答えた。
「……花の手入れを」
そんなこと見ればわかる。
彼はいつだってそうだった。
物憂げな顔をして、口数も少ない。
「今日は天気も良いし、風も穏やかだし、外でお茶にしようと思うの。アルベリオも一緒にどう?」
これを言うには少し勇気がいった。
緊張した面持ちでコレットは返事を待つ。