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第5章 幼い令嬢

コレットの家は裕福な商家だった。

残念ながら両親はすでに亡くなっていたが、今では兄がしっかりと後を継いでいる。

兄、ジャンマルクはコレットと歳が一五離れていた。
若くして当主となったものの、今では実業家として名を馳せている。

そんな兄のことを、コレットは自慢に思っていた。

――つい、最近までは。

コレットは屋敷に戻り、メイドにお茶の用意を告げる。
アルベリオの分も頼むと、相手の表情が強張った。