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第5章 幼い令嬢

「……そう。僕、そんなに笑ってないかな」

アルベリオは目を伏せてしまう。
長いまつげの向こうで、茶色い瞳がゆらゆらと揺れていた。

とっさにコレットは自分の両頬をつまんで外側に引っ張った。

「……何してるの？」

「わりゃってくりぇりゅかにゃ、とおもって」

変顔をしたまま答えると、アルベリオは軽く吹き出した。

「お嬢様がそんなことして、はしたないって怒られるんじゃない？」