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第5章 幼い令嬢

「お兄様、用がないのなら私は戻ります」

踵を返そうとしたコレットを、ミュカが呼び止める。

「待てよ。おまえを呼んだのはあたしだ」

コレットは警戒した目でミュカを見た。
出来ることなら彼女とは関わりたくない。

「おまえ、あたしの弟とずいぶん仲良くしてくれてるみたいじゃん？」

ミュカが親指で窓を指差した。
この部屋からは庭園がよく見える。

「あいつ、あたしんだから」

そう言った瞬間、ミュカの目がぞっとするような殺気を帯びた。