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第5章 幼い令嬢

「でもっ！」

よりにもよって、好きな相手に知られてしまったのに？

そんなこと、アルベリオには言えない。

コレットはぐっと言葉を飲み込んだ。
代わりに、もうひとつの絶望を口にする。

「相手はお兄様なのよ？　神様は許してくれない！　きっと見捨てられてしまった……！」

「神様なんていない」

きっぱりとした言い方に、コレットははっとする。

アルベリオは真剣な顔でこちらを見ていた。
もう一度、ゆっくりと繰り返す。

「神様なんていないよ、コレット」