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第5章 幼い令嬢

アルベリオは、ふいに微笑んだ。
こちらを安心させるための笑顔だった。

「ちゃんと手当てをして、少し眠った方がいい。大丈夫、側にいるから」

アルベリオがコレットの頭をぽんぽんと叩く。

彼は立ち上がった。

「少しだけ待ってて。桶に水をくんでくる」

一人残されたコレットは、急に静かになった室内を眺めた。

ゆっくりとベッドから降りる。
足はがくがくと震えていた。

窓からは、花に溢れた庭園が見えた。
少し前、あそこでアルベリオとお茶をしたのが信じられなかった。