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第5章 幼い令嬢

アルベリオは、コレットのことを汚れていない、何も変わっていない、と言ってくれたけれど。

「そんなの、嘘……」

無理だ。
もう元には戻れない。
子供のコレットでもそれくらいわかる。

ただ悲しかった。

穏やかな春の日差しも、鮮やかな花々も。
まるでコレットが二度と戻れない、美しい世界を突き付けてくるようで。

コレットは窓枠から身を乗り出した。

ここは三階だ。
下にクッションとなる草木はない。