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第5章 幼い令嬢

アルベリオは怒っているだろうか。
ミュカはぼんやりとそんなことを考えていた。

自分が一緒にいることが、果たしてあの弟のためになるのだろうか。

このクソみたいな世界に一人きりは辛くて、寂しくて。
それでもミュカは、弟がいれば生きていけると思った。

だけど、アルベリオ自身は？

一緒にいるようになってから、不安になる。
弟は、ミュカといて幸せなのだろうか。
あの優しい弟に、自分はふさわしいのだろうか。

ただ一緒に地獄に落ちて欲しかった。

ミュカはもう引き返せない。
引き返す気もない。

でも、弟はまだやり直せるのではないだろうか。
自分が悪魔だということを隠して、うまく人間たちとやっていけるのではないだろうか。