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第5章 幼い令嬢

――くそったれ。

ミュカが胸の中で呟いた時。

重いものがぶつかるような、鈍い音がした。

ぐらり、とジャンマルクの体が傾いていく。
そのまま彼はミュカの上に倒れこんだ。

死んでいる。

顔をあげると、息を切らしたアルベリオが立っていた。

手には大きな花瓶を持っている。
それでジャンマルクの頭を殴ったらしい。

アルベリオはずるずるとしゃがみこんだ。
花瓶がごろりと床に転がる。