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第5章 幼い令嬢

「なんでって……何となく？」

ミュカは肩をすくめる。

「もしかして、死にたかったの……？」

アルベリオの片眉が、怒りでぴくりと揺れる。

「許さないよ。先に一人で楽になろうなんて、絶対に許さない……！」

静かな怒りの瞳が、じりじりとミュカを焼く。

「ミュカは僕と生きていくんだ。どれだけ苦しくても。それが僕たちの罰だから」

ぼろり、とアルベリオの目から涙が落ちる。

ミュカは何も言わなかった。
ここで自分も泣いたら駄目だということだけはわかっていた。