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第6章 修道女

ラウルはいつから想いを秘めていたのだろう。
ルイーズの弟だから、と信用されて修道院内に寝泊まりしているのに、よりにもよって実の姉にそんな不純な感情を抱くとは。

許されない。
あってはならない。

不意打ちとはいえ、唇を許してしまった我が身が呪わしい。

罰はいつ下るのだろう。

「お許しを……」

祭壇にうなだれるルイーズの背後で、微かに物音がした。
びくり、と肩を揺らして、ルイーズは振り返る。

礼拝堂の扉が微かに開いていた。

外は土砂降りだ。
扉の隙間から、湿った空気と激しい雨音が入り込んでくる。