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リリスの双子 ―悪魔が見た男女の記録―
第6章 修道女
「それはね、僕が悪魔だからだよ」
ひゅ、と、空気を吸ったルイーズの喉が鳴る。
「う、嘘……です」
絞り出された声は酷く掠れていた。
「あなただって、この近くに悪魔が出たって言ったでしょう? それはきっと、僕のことだよ」
少年はどこか悲しそうに笑う。
まだ大人になりきれていない少年の顔に、危うい陰影が浮かんだ。
これが悪魔の美しさだとでもいうのだろうか。
「ねぇ、神様に祝福された人間に、悪魔は近づけないって言ったよね。本当に神様がいるなら、僕を拒絶してみせて」
ひゅ、と、空気を吸ったルイーズの喉が鳴る。
「う、嘘……です」
絞り出された声は酷く掠れていた。
「あなただって、この近くに悪魔が出たって言ったでしょう? それはきっと、僕のことだよ」
少年はどこか悲しそうに笑う。
まだ大人になりきれていない少年の顔に、危うい陰影が浮かんだ。
これが悪魔の美しさだとでもいうのだろうか。
「ねぇ、神様に祝福された人間に、悪魔は近づけないって言ったよね。本当に神様がいるなら、僕を拒絶してみせて」