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リリスの双子 ―悪魔が見た男女の記録―
第6章 修道女
許されないはずだった。
認めていいわけがなかった。
弟が修道院に派遣されてくる日は、いつもより身だしなみに気をつかい、言葉や振る舞いにも敏感になった。
移動する時はわざわざ弟のいそうなところを通り、心配だからと口を出した。
姉を見つけるとクシャクシャになるあの笑顔が、自分だけのものだと思うと有頂天になった。
ずっと蓋をしていた。
この愛おしさも、切なさも、姉弟としての情だと抑えつけ、高潔であろうとした。
けれど、もはやそれに何の意味があるだろう。
認めるしかなかった。
ルイーズもラウルのことを特別な目で見ていたことを。
認めていいわけがなかった。
弟が修道院に派遣されてくる日は、いつもより身だしなみに気をつかい、言葉や振る舞いにも敏感になった。
移動する時はわざわざ弟のいそうなところを通り、心配だからと口を出した。
姉を見つけるとクシャクシャになるあの笑顔が、自分だけのものだと思うと有頂天になった。
ずっと蓋をしていた。
この愛おしさも、切なさも、姉弟としての情だと抑えつけ、高潔であろうとした。
けれど、もはやそれに何の意味があるだろう。
認めるしかなかった。
ルイーズもラウルのことを特別な目で見ていたことを。